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人事労務コラム|「はたらくかたち」ノート
作成日:2026/07/23
ハラスメントで苦しむ人をなくしたい(私のパワハラ被害体験�B)

連載の第1回はこちらからどうぞ。
第1回へ

 

先輩に話を聞いてもらえたこと以外に、もう一つ、大きな転機がありました。

社内の掲示板で、医務室の「精神科医・臨床心理士によるカウンセリング」が受けられることを知ったのです。まだ始まったばかりの制度でしたし、臨床心理士という職業も、私はその時初めて知りました。精神科医に相談することには心理的なハードルもありましたが、このままでは自分が壊れてしまうのではないかと感じ、意を決して相談の予約を入れました。

その先生も、実に穏やかに私の話を聞いてくれました。そして、気持ちの切り替え方について助言をいただき、必要な薬も処方してもらいました。その後、隔週で相談に行くようになり、私の気持ちを理解してくれる人が増えたことで、少しずつ心が晴れるように感じました。

人に話すことで、心が少し軽くなることを知り、苦しい胸の内を、妻や社外の親友にも少しずつ話せるようになりました。その後もリーダーによるパワハラが収まったわけではありませんでしたし、薬の服用も続きました。それでも、少なくとも精神的には少しずつ安定していきました。

そんな中、私の環境に転機が訪れます。そのリーダーに、突然プロジェクト関連組織への出向人事が発令され、私の上司ではなくなったのです。完全に元通りになったわけではありませんが、明らかに私の症状は軽くなりました。

後にハラスメントについて学ぶ中で、ストレスの原因となるものを「ストレッサー」と呼ぶことを知りました。ストレッサーが取り除かれると、ストレスは軽くなる。ハラスメントへの対応では、行為をやめさせることに加え、相手からの「謝罪」や、配置転換などによる「切り離し」も有効だとされています。私自身は、リーダーの出向という形で「切り離し」を経験し、その効果を身をもって知ったのです。

先日、偶然NHKにその先生が出演されているのを観て、思わず涙がこぼれそうになりました。あの時、私の話を静かに聞いてくれた人がいたことを、私は今でも忘れていません。

次回は、今の職場のハラスメント事情と、会社に求められていることについて考えてみます。

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